契約夫婦を解消したはずなのに、凄腕パイロットは私を捕らえて離さない
「明日、弁護士に相談したらすぐに連絡するから今日は家に帰ってゆっくり休め」

「ありがとうございます」

 誠吾さんは私を自宅アパートまで送り届け、「なにかあったら、すぐに連絡して」と言って帰っていった。

 誠吾さんが運転する車が見えなくなるまで見送り、ゆっくりと部屋に入る。そのままベッドに横になり、瞼を閉じると浮かぶのは誠吾さんの優しい笑顔。

 いつもいつも、私がピンチの時に助けてくれるヒーローのような人。いつか私も誠吾さんの力になれるくらい強くなりたい。

 そのためにも父としっかり向き合おう。それで少しでも強くなったら誠吾さんに好きだって伝えるんだ。

 そう心に強く誓った。
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