契約同居と愛情ご飯~統括部長の溺愛独占欲~
トマトのゆくえ
そんなことがあった翌日、月曜日。夕方。
鈴は明るい気持ちで天堂のマンションを訪れていた。勿論、手には昨日の買い出し食品を提げて、である。
それとは別にトマトの袋を持っていた。
昨日、あのお店で取締役と言っていた男性にもらったもの。新鮮なうちに使いたいと思って。
鼻歌を歌いつつ、大きなシステムキッチンで夏野菜のパスタを作った。
ズッキーニとトマトをソテーして、パスタを茹でて、そこへオイルサーディンを入れて和えて……。ふわりとにんにくの良い香りが漂った。
最後にはネギを刻んで、これは食べる前にかけてもらえるように小皿に入れた。
次に作ったのはサラダ。トマトサラダである。
なにしろトマトはたくさんある。昨日の男性のお言葉に甘えて、鈴の家でも少しもらってしまったが、昨日の買い物はこの家の夕食のためのものだった。この家でのご飯にも使ったほうがいいに決まっている。
なので、トマトのひとつは夏野菜のパスタに使い、もうひとつはトマトサラダに。
トマトを切って、玉ねぎを刻んで、ちょっとのパセリなども彩りのために刻んで。
オリーブオイル、塩コショウ、オイルサーディンから少々拝借した油で隠し味。
シンプルながら、夏らしいサラダが出来上がった。
あとはコンソメスープを簡単に作って、月曜日の夕食は完成した。
トマトをたっぷり使ったので、赤が多かった。明るくておいしそう、と鈴は満足する。
食べ方を書いたメモを残すときに、ちょっと考えた。あまりにトマトばかりだと思われないだろうかと。
よって、少し書き足した。
『新鮮なトマトをたくさんいただきました』
天堂さん、トマト苦手じゃないといいけどな。
今まで使ったときも特になにもなかったから、大丈夫だと思うけど。
鈴は少しの心配をしつつも、夕食を冷蔵庫に入れて、マンションから帰った。
その翌日。
夕方、同じく夕食作りにマンションを訪れると、そこにはメモが置いてあった。
『トマト、おいしかったです』
それだけ。ひとことだけ。
でもそれは、はっきりとした『鈴の料理を気に入ってくれた』という返事であった。
鈴は明るい気持ちで天堂のマンションを訪れていた。勿論、手には昨日の買い出し食品を提げて、である。
それとは別にトマトの袋を持っていた。
昨日、あのお店で取締役と言っていた男性にもらったもの。新鮮なうちに使いたいと思って。
鼻歌を歌いつつ、大きなシステムキッチンで夏野菜のパスタを作った。
ズッキーニとトマトをソテーして、パスタを茹でて、そこへオイルサーディンを入れて和えて……。ふわりとにんにくの良い香りが漂った。
最後にはネギを刻んで、これは食べる前にかけてもらえるように小皿に入れた。
次に作ったのはサラダ。トマトサラダである。
なにしろトマトはたくさんある。昨日の男性のお言葉に甘えて、鈴の家でも少しもらってしまったが、昨日の買い物はこの家の夕食のためのものだった。この家でのご飯にも使ったほうがいいに決まっている。
なので、トマトのひとつは夏野菜のパスタに使い、もうひとつはトマトサラダに。
トマトを切って、玉ねぎを刻んで、ちょっとのパセリなども彩りのために刻んで。
オリーブオイル、塩コショウ、オイルサーディンから少々拝借した油で隠し味。
シンプルながら、夏らしいサラダが出来上がった。
あとはコンソメスープを簡単に作って、月曜日の夕食は完成した。
トマトをたっぷり使ったので、赤が多かった。明るくておいしそう、と鈴は満足する。
食べ方を書いたメモを残すときに、ちょっと考えた。あまりにトマトばかりだと思われないだろうかと。
よって、少し書き足した。
『新鮮なトマトをたくさんいただきました』
天堂さん、トマト苦手じゃないといいけどな。
今まで使ったときも特になにもなかったから、大丈夫だと思うけど。
鈴は少しの心配をしつつも、夕食を冷蔵庫に入れて、マンションから帰った。
その翌日。
夕方、同じく夕食作りにマンションを訪れると、そこにはメモが置いてあった。
『トマト、おいしかったです』
それだけ。ひとことだけ。
でもそれは、はっきりとした『鈴の料理を気に入ってくれた』という返事であった。