エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】  ~続編更新中~

「そっか、そうだな。じゃあ少しづつお互いを知っていこう」

「うん」


すぐ結婚しそうな勢いがあったからこのままトントン拍子にことが進んだらどうしようと思ったけど、そこは紳士的にとどまってくれてよかった。

信じていないわけではないけど、やはり腑に落ちないんだ。


”どうして私だったの?”

これがどうしても聞けない。


「お互いを知るためなら仕方ないけど、俺から逃げるとかは許さないからね?」


この時の飯塚君の目は、どこか冷たそうでそれでいて深い悲しみを背負っているかのような色をしていた。

キュートな茶色の瞳に似つかわないような悲しみの(いろ)をのせるだなんて、なんてもったいないことをしてしまうのだろう。


その頃、脳内お花畑だった私はそんなことを考えていた。


この時から私は彼女の身代わりになっていたのであろう。


彼女を愛せない代わりに、私が身代わりとなって選ばれただなんて、この時は思いもよらなかったんだ。



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