エリート極上男に堅物女で有名な私が何故か執着されています【完】  ~続編更新中~
嫉妬

久々に大学時代の友人たちと同窓会を兼ねたみたいな飲み会があるからと誘われて居酒屋に来ていた。

年に数度あるこの呑み会。
今回はこじんまりとやるみたいだ。

みんな家庭を持ってるだろうし、こういう場に来るヒマがないのだろう。
特に女子の参加人数が年々少なくなっている。


「あっれぇ~、やっぱさー、葵なんか綺麗になったっぽくね?」

そんなことを酔って言ってくるのは元カレの津島秀和だ。

大学の時に学部が同じで卒業してから一時期付き合っていた。

私に”俺が居なくても大丈夫だよね?”とかほざきながら別れを切り出し、数か月後に違う女とめでたく結婚した男だ。


「なってないよ。ってか名前呼びしないでよ、怪しまれるから」

「いいじゃ~ん、みんな酔ってるしさ、聞こえてないって」

それに関してはその通りで夏ということもあってかみんなどんちゃん騒ぎだ。

「いいよな~。そのクールな感じに昔の俺は惹かれて告白したんだよな~」

なによ今さら。
その冷たい感じが一方的な思いみたいでヤダって、だから甘え上手な後輩と結婚したくせに今さら何を言ってるの?


「聞いてくれる?うちの嫁さぁ最初はか弱っぽくて可愛かったのに、今じゃあいつの手下だよ、俺。顎で使われるし、気が利かねえとかほざくの」

「子育てしてたらみんなそんなもんじゃないの?友達も同じような事呟いてるけど」

「いや、あいつの要領が悪いんだよ。だからうまくいかなくてイライラして、その怒りの矛先が俺にくるんだって、本当に嫌になるよ」

< 21 / 103 >

この作品をシェア

pagetop