「これ以上、あなたに付き合うことは出来ません。もうだいぶリハビリもしましたし、大丈夫だと思いますのでここでひかせていただきます」

「え。何言ってるの?葵」

「ですからもうこれ以上会うのはやめにしましょう」

「どうして?葵は僕といるのが苦痛だった?」

「苦痛ではありません・・・ただ――」


違和感がいつまで経っても拭えない。

この人とこれからの人生を共にすることなんて出来ないよ。


「私は結婚願望などありませんので、未来がないですよ?」

「結婚・・願望?――――それ、本当に?結婚願望がないのは言い訳で、違う奴だったらOKって意味じゃないよね?」


痛いところをついてくる。


「仕事が面白くて結婚をしたいとは思えないのです」

「じゃあなんでお見合いしたの?少しはそんなビジョンも描いてたからじゃないの?」

「ごめんなさい・・・・」

「それかこっちに魅力がないとか?おかしいな、これでもモテた方なんだけど—――。気に入らないところあったら直すよ、だからもう一度チャンスをくれないかな?」


変な同情などするものじゃない。

こうやって人を傷つけてしまう羽目になるのだから。


「ごめんなさい。もう希望に添えることはできません。これから何があっても―――」


深い悲しみに暮れたような表情が一変して目だけが攻撃的に変わるのが見えた。

その顔が怖くて一礼をしてからその場を去る。


怖い。

あんな怒り顔は今まで見たことが無かったから余計に。