エリート警察官は彼女を逃がさない
私たちの関係は?
ホテルの勤務はシフト制で不規則だ。平日休みにすっかり慣れてしまったいた私は、掃除をしつつ、朝の情報番組を見ていた。

「いい天気だし、お布団干すかな」

大学入学と同時に上京してはや数年、一人暮らしも一人の時間も慣れっこだ。
そんな時スマホの着信が音を立てる。実家で家庭菜園が趣味の母が野菜を送ったという連絡だろうか。
忙しい私を気にして冷凍して送ってくれるのはとても助かっている。

「もしもし、お母さん? また野菜送ってくれたの?」
布団を持ってベランダにいた私は、ポケットからスマホを取り出すと母だと思いこんで電話に出た。

『ごめん、野菜はないけどランチに行かないか?』
「え!」
そのセリフに私は危うく布団を落としそうになる。電話の相手は二階堂さんで、クスクスと笑い声をあげている。
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