溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

いつだって

お母さんと家に帰ってから、しばらく経った頃。


私が熱を出したと聞きつけてきた先輩が、なんとお見舞いにきてくれたのだ。


「はぁ、熱出すなんて……」

「あはは……なんででしょうね」

「色々ストレスでもあったんじゃないの?プレッシャーとか。やっぱり、佐伯先輩に金目当てで近づいてたのやめてよかったわ」

「あはは……」


それって、つまり婚約者になったことがプレッシャーでストレスで、熱が出ちゃったって先輩は思ってるってことだよね……?


それは、多分ちがう……と思いたいけど……まぁよくわからないし、ただ熱があるだけだからなんでもいっか。


「……あ、そういえばね」

「はい」

「アタシ、婚約者ができるかもしれないのよ」

「……ぶぇっ!?」

「ぶぇってなによぶえって」


あははと笑っている美鈴先輩。


「ふ、不本意ですか!?せ、政略結婚!?」

「なに言ってんの、小華井財閥って超お金持ちよ?政略結婚なんて当たり前すぎ」

「そ、そんなっ……」

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