溺愛体質の先輩が甘くするのは私だけ。

私、なんだか変だ

次の日。


昨日は先輩に車で送ってもらって帰った。

……そして、

今日もまた先輩は私と共に下校するそうで。


次の日も、次の日も次の日も。


毎日偶然登校の際に出会っては、下校は共に。


けれど、それ以外は特にない。


だけど……。


1ヶ月後。


中学生活にもなんとなく慣れてきた頃。


今日も再び、先輩と共に帰る。


「……そういえばさ、そろそろ中間テストだよね」

「?中間テスト?」

「ふふっ、そうだよ。真白ちゃん、勉強間に合ってる?」

「べ、勉強……」


一応……頑張ってるけど……。


「その深刻そうな表情、可愛いけど……。なんか大変そうだね」

「はい……」


もう可愛いって言ってくるのは、ただバカにされてるだけだと思うことにした。


「なにか教えようか?」

「け、結構です……」


これ以上先輩と仲良くすると、ただでさえいたい視線がもっとチクチクしそうだから……。


「赤点取ったらどうするの?」

「そ、それは嫌ですけど……」

「でしょ」

「うう……」


けど、理科と数学をどうにかすれば、なんとかなる……はず……。


「教えてあげるよ。もちろん無料で首席の僕が特別に」

「……へ!?首席なんですか!?」

「うん、毎年1位だけど」

「ま、マジですか……」

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