この水嶺(すいれい)に遊ぶ
二つの命(フィラメント)に、
水がなびく。
砂が踊る。
水の波は音を奏で、
砂の舞は音を纏う。
やがて一つに交わった愛は、
あたかも糸と糸が縒りそうように
一本に紡がれて、
水面に伸びたその穂先は、
地下洞にこの世のものとは思えぬほどの
まばゆい光を発した──
- あらすじ
水の豊かな国リムナト前王の子息レインと、隣国の砂の国ナフィルの王女アンシェルヌが巻き込まれた「ニ国」の過去と未来を巡る数日間の物語。
不思議な洞穴に湛えられた「命の水」に秘められる謎から、愛情溢れる想いが導き出されます。
(副題にアルファベットのある回は、登場人物のイメージイラストがございます【多謝:az様】)
──中世ヨーロッパの風景を思い浮かべながら、何卒お手にお取りください──