クールな御曹司は離縁したい新妻を溺愛して離さない

決意

最近の修吾さんは本社にいることが多く、とても忙しそうだった。
ありがたいことに結婚式の引き出物として起用が増え従業員一同が一丸となり励んでいるがこのままだと追い付かなくなりそうなくらいでみんなうれしい悲鳴をあげていた。

そんな疲れが私にも溜まってきたのか最近私の調子が悪い。
立ちくらみやめまいが頻繁に起こるようになってきた。
仕事の時だけでなく家に帰ってからも体調が悪く、今までよりも家事が手抜きになりがちだった。
それでも修吾さんのご飯だけは、となんとか作っては早めに自室へ籠る日々続いていた。
彼も忙しいらしく、夜は遅く朝は早く出てしまう日が続き顔を合わせることが少なくなっていた。

「美波、最近顔色が悪いわよ。病院に行ってきたら?」

あまりの立ちくらみの多さに母は見かねて私に声をかけてきた。
私自身、疲れが溜まったにしてもちょっとおかしいと感じていた。
母に言われたこともあり私は仕事帰りに病院へと立ち寄った。
そこで思わぬことを言われてしまった。

『おめでたですね』

私は貧血かと思っていたのに妊娠していたなんて……。
どうしよう。
いつかは離婚する関係なのにまさか妊娠するなんて。
そういう関係を持っている限り妊娠する可能性はゼロではないが、離婚前提の私たちに赤ちゃんが出来るなんて……。
修吾さんには言えない。
堕ろせって言われるに決まってる。
でも私は彼の子を産みたい。
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