遅刻しそうな時にぶつかるのは運命の人かと思っていました
9.大事なことは言ってくれ
 ぴたりと鷹條の動きが止まる。

「亜由美、初めてだとなんで言わない!?」
「だ……だって、初めてって言ったら止めちゃうかもって……やめちゃやだっ」

「ば……かっ、もう入ってるよ」
 は……っと鷹條は軽く息を吐く。

「チカラ、抜けるか? 痛くない?」
「ちょっとだけ。でも平気」

 鷹條に緩く何度も擦られているうちに、亜由美はだんだん声が抑えられなくなって、甘い声が漏れていく。

「ん? 気持ちい?」
 これが気持ちいいというのかは分からないけれど、繋がっていることが嬉しくて、亜由美は鷹條にきゅうっと掴まった。

 甘く漏れてしまう声と浮き上がってしまう腰。
「亜由美、それやらしくて、すげーいい」

 敏感な内壁を擦られているうちに、亜由美がひどく感じる場所を鷹條は見つけた。

 亜由美もそこを温かくて固いもので何度も擦られると足にぴりぴりと電気が走ったかのように感じる。

「ここ、気持ちいいな?」
 嬉しそうな顔の鷹條に何度もそこを行き来されて、亜由美はびくんっと下肢を痙攣させた。
 中のものもどくんっと動いたのが分かる。

「大丈夫だったか? 痛くはない?」
「ん……」
< 55 / 57 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop