When pigs fly〜冷徹幼馴染からの愛情なんて有り得ないのに〜
ダメなのに……
 なんなのよ……この安定感はーー力なく泰生の胸に寄りかかると、不思議と安心出来た。

 泰生は恵那を抱いたままリビングのソファへと座る。いつまでも彼の膝の上から下ろしてもらえず、恵那は困ったように体を離そうとした。しかし男の人の腕の力には敵わない。

「さっき恵那は、どうして二人で過ごすのかって聞いたよな」
「えぇ、聞いた。昔話でもするつもり?」

 恵那が呆れたように笑うと、泰生は至近距離まで顔を近付け、彼女の瞳をじっと見つめた。

「恵那には……不倫なんか似合わないってことを、俺がそれをわからせてやる」
「えっ……泰生? ちょっと待ってよ……言ってる意味がわからな……ん……」

 突然唇を塞がれ、恵那は驚いて目を見開いた。貪るようにキスをされ、応えたくなるのを必死に堪える。

 これじゃああの時と同じになっちゃう……!

 恵那がしっかりと閉じたままの歯の間に、泰生の舌が入り込もうとする。なんとか抵抗するものの、唇の裏側を舌で攻められ、あっという間に彼を受け入れてしまう。

 胸を揉まれながら、泰生の指がブラジャーのホックを外した。そのままソファに押し倒され、泰生の手がブラウスの下の胸の頂を弄り始める。

 キスをやめてもらえず、唇を塞がれたまま呼吸が荒くなる。その手が更に下の方へ下っていくと、スカートを持ち上げ、ショーツの中へと指を滑らせていく。

 あまりの気持ちよさに恵那の体が大きく跳ねると、ようやく泰生が恵那の唇を解放した。

 乱れる呼吸を整えながら、うっすらと目を開けると、泰生が服を脱ぎ捨て恵那の上に覆いかぶさる。
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