When pigs fly〜冷徹幼馴染からの愛情なんて有り得ないのに〜
最悪の再会
 暗闇から突然、明るい世界へと誘われる。瞼越しに太陽の光を感じ、恵那は思わずぎゅっと目を瞑った。

「ま、眩しい……」

 掛け布団を頭からすっぽりかぶり、再び眠りの世界に戻ろうとした。しかしそれを許さないとでも言うように、誰かが布団を引き剥がした。

「ちょ、ちょっと……! 何するの……⁈」

 さすがにそこまでされては起きるしかない。しかし顔を上げた恵那は、頭上から見下ろしている視線の主の存在に気付き口を閉ざした。

「な……なんであんたがここにいるのよ……」
「ここは俺の家だよ。お前の方がよそ者なんだ。身の程をわきまえろ」

 背が高くて、昔から水泳をやっていたせいか筋肉質な体、そして誰が見ても心を奪われる顔立ち。白いワイシャツの胸元がはだけ、学生の頃よりも更に色気を増していた。

 だけど私は知ってる。こいつには感情なんてないってことを。笑った顔なんかほとんど見たことがないし、優しい言葉をかけられた記憶なんてないもの。

 彼に何か言葉を当てはめるとすれば、『冷徹』という言葉がぴったりだった。
< 6 / 34 >

この作品をシェア

pagetop