週明け、例の同僚は上司に呼ばれた。
彼の一件は社長の耳に入るとかニキは言っていたが半信半疑だったけれど、本当に伝わったんだろうか。

しばらくして戻ってきた同僚は私と目があった途端、怯えたように目を逸らした。

「桜井、ちょっと」

「はい」

今度は私が上司から呼ばれる。

「金曜、持ち帰って仕事をしたって本当か?」

もしかして、持ち帰りはマズかったとか?
叱責を覚悟しながら、口を開く。

「はい。
頼まれた仕事を家に持ち帰ってやりました」

私の答えを聞いてはぁーっと課長の口からため息が落ちた。

「タクシー代とその分の時間外労働申請、しろよ?」

「……はい?」

予想外の言葉が返ってきて、ついぱちぱちと何度かまばたきをしていた。

「……ああ。
旦那に手伝ってもらったんだったらアルバイト代も出すから、申請しろよ?」

「……はい?」

タクシー代と時間外労働代が出るのだって驚きなのに、ニキのアルバイト代まで出ると?
いったい、なにが起こっているんだ?

「あと、アイツには厳重注意した。
でもお前も悪いんだぞ?
無理な仕事を引き受けるな。
オレか、いないなら誰かに相談しろ。
いいな?」