極秘懐妊だったのに、一途なドクターの純愛から逃げられません

やはり逃げます

その後の太郎さんの行動は素早くて、あっという間に沙月ちゃんや泉美に連絡をとり、お店の手配をしてし、私の荷物まで用意してしまった。

「ところで泊まるところだけど、僕のマンションが借りたままになっているんだが、そこでいいかなあ?」
「ええ、私はどこでも」

この1週間は静養に当てると決めている以上、ゆっくり過ごせる所なら文句はない。
さすがに動き回って観光しようとは思わないし、お金をかけて贅沢するつもりもない。
ただ、旅行気分で太郎さんに同行するだけ。

「僕も何日かは仕事があるから途中で妹が顔を出すかもしれないけれど、平気?」
「ええ」

太郎さんの妹さんには、たくさんの料理を送ってもらっているんだもの。
できればお礼も言いたい。

「妹も会いたがっていたから、喜ぶよ」

太郎さん、妹さんに私のことを話していたんだ。
一体なんて話しているんだろう。想像するとちょっと怖い。
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