たとえ、この恋が罪だとしても
第14章 会いたい
〈side Takito〉 

 文乃と互いの気持ちを確かめあったその翌日から5日間、仕事でオーストラリアに行かなければならなかった。

 こんなときに、5日も文乃と離れるなんて最悪の極み。
 ひとときだって離れていたくなかったのに。

 滞在中、仕事のない時間は文乃のことばかり考えていた。

 電話をしようかとも思ったが、声を聞いたら最後、今すぐ日本に帰りたくなって、仕事に支障がでそうな気がしたので、理性を総動員して控えた。

 今、帰りのフライトだ。無事到着すれば、ようやく文乃に会える。

 あの日は時間的にも精神的にもゆっくり話をする余裕がなかったが、文乃の彼氏ともちゃんと話して、できればきっちりけじめをつけたい。

 もちろん、殴られるのを覚悟で。
 まあ、血を見ずに穏便に済めば、それに越したことはないけど。
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