たとえ、この恋が罪だとしても
第15章 3年後
〈side Ayano〉

「あのね、あやせんせ。せんせぇはすきな子いるぅ?」
 
 このみちゃんは4歳。
 わたしが今務めている保育園に通っている子だ。
 
 今、午後6時を回ったところ。
 他のみんなは全員お迎えが来て、残っているのはこのみちゃんだけだった。

 来週のクリスマス会の飾りを折り紙で作りながら、一緒にお母さんを待っていた。 

「このみちゃんは好きな子いるの?」
「うん、たっちゃん。でも、たっちゃん、このみが遊ぼうって言うとすぐにげちゃうんだ」

「そっか。はずかしいのかな。でも、やさしくしてあげたら、たっちゃんもきっとこのみちゃんのこと好きになってくれるよ」
「ほんと?」
「ほんとだよ」
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