さあ、離婚しましょう  始めましょう
初めてのお付き合い
呆然と立ち尽くしていると、後ろからコホンと遠慮気味な咳払いが聞こえた。

「あっ……」
なんとなく気まずくて、私が呟いて俯くとすぐそばに気配を感じた。
さっきまでは焦ってしまっていたが、星ちゃんが失礼なことをいったことを謝罪しなければ。
私は彼をチラリと見た後、小さく頭を下げた。
「弟がごめんね。嫌な思いさせて」

「いや」
小さく呟いた尋人は髪を掻き上げると、唇を噛んで思案する表情を浮かべた。
仕事が終わってこんなところまで来させてしまい、きっと気を悪くしたに違いない。

「本当にごめんね。両親の不在が多かったせいもあって、しっかりした弟が保護者みたいなところがあって」
言い訳のように伝えれば、尋人は大きく息を吐いたのがわかった。
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