手を伸ばした先にいるのは誰ですか
07





「おはようございます」
「おはようございます、美鳥様」

今日は、以前遠藤さんが支配人だった店舗へ午前中に朱鷺と遠藤さんが行く予定になっている。

「週末、温泉に行って来まして、こちら美鳥様へお土産です」
「冴子さんと?ありがとうございます、西田さん。開けていい?何だろう…わぁ、冴子さんが選んでくれたんだ」
「そうです。同じものを買ってましたよ」
「ありがとうございます。冴子さんとお揃いでお肌ツルツルですね、ふふっ…嬉しい」

お土産は温泉水が配合された10枚入フェイスマスクだった。

「遠藤さんがメインで朱鷺様付きとなったので、ありがたいことに私は60で余裕ができました」
「これまでがイギリス生活もあって、冴子さんだけイギリスに残ってくれたこともあって、朱鷺の社長就任を西田さんが支えてくれて…もう人の何倍も働いているんだからいいと思います。元気なうちに余暇が楽しめないと…って旦那様も言ってましたよ?」
「旦那様も満喫しておられますね。えー本日、美鳥様は10時から川崎さんとミーティングのご予定ですね?」
「はい、1時間の予定です」
「何かいいものが発信出来そうですか?」
「うーん…手探り感満載ですけど‘うまくいかないのも仕事だ’って旦那様が言って下さったので思うままにやってみて…あまりにダメなら朱鷺がgo出さないでしょ?川崎さんを信頼して、最後は朱鷺がいるので前進あるのみ。頑張ります」
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