腹黒脳外科医は、今日も偽りの笑みを浮かべる
6章:本音

 吐く息が熱い。
 今が何時なのかもわからないし、頭の中はさっきから何度も真っ白になっている。

 何度も上りつめ、ベッドの上でクテリとなった私の身体に、先生はまた口づけ始めた。

「やぁっ……! の、喉、かわいたぁ……せんせ、水……」

 もう声が枯れている。何時間これを繰り返しているのか分からない。
 先生は微笑むと、自分がベッドサイドに持ってきた水を自分の口に含み私に口づけ、それを私の口内に流し込んだ。しかし、うまく飲みきれなかった水が、口端からこぼれ落ちる。

「ほら、こぼれたよ。ちゃんと飲んで?」
「これじゃ、のめなっ……」

(できれば、先生からではなくて、コップから水を飲みたいんですけど!)

「飲んでおかないと朝まで持たないよ?」

 この時までの経験から、冗談ではなさそうなその言葉に顔面蒼白になる。

―――僕、一回じゃ、全然満たされてないんだ。

 まだ朝じゃないけど、今、その意味が完璧にわかってしまった。
 つまりは、朝まで何回もこれをするってことですね……!

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