甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
 でも、もちろん夢のなかの出来事ではなく。
 合宿初日の夜、彼は両親のもとを訪れ、正式にわたしとの交際を申し込んでくれた。

 わたしが裕樹と別れて落ち込んでいたことを知っていた母は、手放しで喜んでくれた。

 父も多くは語らなかったけれど、物怖じせず、はきはきと会話し、それでいて気遣いができる彼を、とても気に入った様子だった。


 もうもうと煙を上げているコンロの横でビールを飲みながら、わたしの肩を抱く島内さんに、孝之がニヤニヤしながら話しかけた。

「でも、良かったです。姉ちゃんと島内さんがうまくいって俺も嬉しい」
「孝之が協力して、励ましてくれたおかげだよ」
「とにかく岩みたいに頑固ですからね。この人。子供のころからどれだけ苦労させられてきたか」

 孝之は肘で横にいるわたしをつつく。

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