甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
第3章 諦められない、とても
 休み明けの火曜日、出社してすぐ、水野課長の席まで行った。

「昨日はお休みをいただきありがとうございました。何かありましたか?」
「特に問題なかったわよ。連絡事項は社内メールをチェックしておいて」
「はい。わかりました」
 
 会釈して席にもどろうとしたとき……
「ずいぶんすっきりした顔になったね。何かいいことあった?」
 水野課長はにやりと笑って言った。 
「ひさしぶりに彼氏と睦まじく過ごせたってとこかな?」

 彼氏と睦まじくって……

 とたんに金曜日の夜の記憶が脳裏に浮かぶ。

 ――こっち、向いて……感じてる顔、見せて……

 わっ、出てこないで。
 動揺が顔に出ないように、わたしは必死で心を静めた。
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