甘やかしてあげたい、傷ついたきみを。 〜真実の恋は強引で優しいハイスペックな彼との一夜の過ちからはじまった〜
 弟は人懐っこい性格で、頼み事もうまい。
 20歳を過ぎた姉弟にしては、かなり仲がいいほうだと思う。

 彼が生まれたときはとっても嬉しかった。
 小さいころはいつも子犬みたいにじゃれあって遊んでいた。
 
 孝之がサッカーを始めてからは、土日も練習があって忙しくなり、わたしの相手はしてくれなくなったけど。
 その代わり、母親がお茶当番の日にはよく練習や試合を観にいった。

 ボールを蹴っている彼を見るのは、何年ぶりだろう。

 いい気分転換になりそう。


***

 その約束の日。
 予定外の仕事が重なって、会社を出るのがだいぶ遅くなってしまった。

 練習は7時半からだっけ。

 大幅に遅れそうだったので、少しでも早い電車に乗ろうと小走りで駅に向かっていた。
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