「イブニングドレス…すごい正装だね…」
‘カクテルドレスでもアフタヌーンドレスでもいいけどね、上品な感じなら’
「紫乃が何着ても下品になるわけがないだろ」
‘壱くん、ありがとう。紫乃ちゃん、行っていいって。良かったね’
「はっ?そうは言ってない」
‘ウジウジ、じめじめ言わないの。壱くんは接待飲みのあとに迎えに来ればいいじゃない’
「…真麻、ドレスは?夢唯めいさんのところか?」
‘そう。紫乃ちゃん、5時から食事してドレスのお店に行ってそこで全部任せるからね。夢唯さんはお兄ちゃんの彼女っていうかパートナーだよ。そこは壱くんに聞いて’

通話を切った真麻に押し切られたが

「紫乃、行く?」
「真麻ちゃんと一緒だから行ってみようかな。まこちゃんのお店は見てみたいし、真麻ちゃんとドレスアップはちょっと楽しそうでしょ?いい?」

紫乃がそう言うならいいか。他で飲むより誠の店は安心だ。紫乃が男に囲まれるということに抵抗はあるが、知的な男が多いことも知っている。仕事上だと言っても俺がクラブに行くのも事実だ。

「紫乃、ドレスはパープルかラベンダー…濃淡は好きに選べばいいが紫系な。絶対に似合うから。まあ、夢唯さんに任せて間違いないだろうが」

そして、二人で食事の片付けの続きをしながら、紫乃に夢唯さんのことを話す。