「ん、紫乃」

今度は腕を組むのではなく手を繋ぎたくなったらしい壱が紫乃の手を取り指を絡めて歩き始める。

「その方が自然やね…素敵」

もらったばかりのブーケを握りしめた友人の声に皆が頷き拍手する。

最後に親族の席を通りすぎるとき、また立ち止まった二人は

「おばあちゃん、疲れてない?大丈夫?」
「大丈夫、大丈夫。楽しかったわ。ありがとう、紫乃、壱くん」
「一緒に出ましょうか?」

壱が紫乃の祖母に手を差し出し、それを掴んだ祖母がゆっくりと立ち上がった。

「両手に花です…行きますよ」

壱の満面の笑みは珍しいと、ハセイチビルの者たちは思いながらドレス姿の紫乃と和服姿の祖母と手を繋ぐ壱を見送った。