「壱、ありがとう」
「楽しい買い物だったな。揃いのシャツも買えたし」
「うん、嬉しい。楽しかったし、あの店員さんの話を聞いて、ゆるゆるだらりの奥さんにならないように少しはお洒落していたいなぁって思った」

買い物から帰ってバタバタと授乳や家事に忙しく、昼間そのままにしていた買い物の荷物をクローゼットに片付けながら、時々体に当てては鏡を見る紫乃はご機嫌だ。

「お義父さんのプレゼント、靴下になったけど…今思うと母の日と足つながり?」
「ああ、そういうことになるか?あれ、好評で母さんが使っていないときに父さんも使うって言ってたな」
「邪魔になるって言われなくて良かった」

母の日には足枕をプレゼントしたのだが、それが母さんに大好評だ。

「紫乃にはいらないものだがな」
「何?足枕?」
「そう。俺がどんな枕にでもなってやれるだろ?」
「ふふっ…ははっ…」

何だかよくわからないが、紫乃の笑いのツボを刺激したらしく紫乃がクスクスと笑い続け、俺は珍しい光景を画素数を上げて美しく録画する。綺麗な紫乃に補正は必要ない。

「紫乃、ゆるゆるだらりの奥さんでも紫乃だったらいいんだ、俺。だから頑張るのはなしだ。約束な」
「うん。壱、ありがとう」

紫乃はぴったりカメラ目線で無敵の微笑みを見せた。