「今日の雛ちゃん、おしゃれしてて可愛かったわね」

そう言って、助手席の夏樹の表情を伺った。

「あー、確かに。普段大人っぽく見えてるけど、今日は等身大の女の子って感じだったかも」

私に言われて、今日の雛ちゃんを思い返している様子の夏樹に小さくため息をついた。

「今日は一段と可愛いねって、気の利いたこと言えないの?…わざわざお店に呼んだ意味、ないじゃない」

「えっ…そんな事言われたって、不快に思われたら大変だろ?…セクハラだと思われたら、職失う。それに呼んだ意味って…アップルパイ久々に食べられて、俺は満足だったけど?」

全然意味がわかっていない夏樹にちょっとイラっとする。でも、長らく恋愛をしていない夏樹の感覚は鈍っているのかもしれない、とも思った。

「まあ良いわ。それより気になる事あるんだけど…雛ちゃん、人間関係に線引きしてるわよね…?」

まだちゃんと話したのは、今日で2回目だけれど、相手との距離が近くなり過ぎないように接している感じがした。

特に、異性に対してはそれが顕著に表れている気がした。