独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
冷たくされている訳でも蔑ろにされている訳でもないけれど、大好きな夫と触れ合いないのはとても辛いもので、瑠衣の悩みは日に日に深くなっていた。

最近では毎日そのことばかり考えてしまっている。

そんな現状を変えたくて、とうとうストレートに伝えようと決心した。

あなたが好きだから仲良くしたい。もう一度抱き合いたいと。

だけどそれを実行するにはなかなか勇気が必要で……出来れば何か言い出すきっかけが欲しいところだ。

例えば数日後に迫った結婚一周年の記念日に言うのはどうだろう。

(うん、それがいいかも)

軽い思いつきだったけれど、とても相応しい日だという気がする。

久々に気持ちが前向きになった。

(頑張ろう。晴臣さんと仲良くなりたいんだから)

せっかくだから心に残る日にしたいと、瑠衣は準備を進めたのだ。

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