結婚してから妻が不在の朝は初めてだ。

浅い眠りから目覚めベッドルームから出た晴臣は、瑠衣のいないリビングを見回し寂しさを覚えた。

彼女がいることが当たり前になっていたのだと、改めて感じる。

一日離れただけでもこうなのだ。別れるなんてとてもじゃないが考えられない。

条件で結婚相手を考えていた頃は想像も出来なかったが、今の晴臣は瑠衣がいない暮らしなど耐えられそうもなかった。

(それなのに不信感を与えてしまうなんて)

自分の情けなさがもどかしい。

とは言えいつまでも引き摺っていても仕方がない。

二度と瑠衣に愛想をつかされないように、彼女の気持ちを繋ぎとめられるように今夜しっかり話し合おう。



出社した晴臣はスケジュールを再確認し、可能なものはどんどん前倒しでこなしていった。

十五時すぎに外出予定があるが、帰社はせずそのまま自宅に戻るつもりでいるからだ。

休憩を取らずに一気に片付け、二時過ぎにオフィスを出た。