独占欲を秘めた御曹司が政略妻を再び愛に堕とすまで
クローズ 晴臣side
疲れ果てて眠る瑠衣の頬にキスをして寝室を出た晴臣は、手早く身支度を整えて出社した。

今日も来客や会議などスケジュールがびっしり詰まっているが、オフィスの自席に着いた晴臣が一番にしたことは、瀬尾への連絡だった。

今日は午後に名古屋の新規開業ホテルの定例会議がある。昼食がてら話がしたいのでその一時間前に必ず来るようにとメッセージを送ったのだ。

いつにない強い内容の連絡だし、恐らく彼は晴臣の用件を察しているだろう。言い訳も用意してくるはずだ。

しかし言い逃れをさせるつもりはない。意味不明の行動の理由を絶対に聞き出すつもりだ。

午前中に出来るだけ仕事を片付けておこうと、溜まっていた決裁処理などを進めていく。

休憩も取らずに集中していると、気付けば十二時を回っていた。

ある程度目途がついたので、一息入れるため席をたつ。

スマートフォンを確認してみると、五分前に瑠衣からメッセージが入っていた。
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