お前を地の果てまで追いかける〜御曹司の決意
私は陸と過ごす時間が、こんなにも癒されてずっと求めていた時間だと気づかされた。

「めっちゃ、うまいよ、森川さん、料理上手だね」

「そうですか、社長の好みで良かったです」

それはそうだろう、陸が大好きなメニューばかりだから、二年前も褒められたっけ。

陸がどうして二年前をリセットして、私と向き合おうとしているのか分からない。

でも、今私が一番求めているのは、陸との時間。

陸は社長だから、陸と結婚出来るとは思っていない。

それに、彼女は別にいて、私は都合のいい女だけかもしれない。

そう、期待するとまた悲しい思いをする事になる。

そんなことを思い巡らせていると、陸が予想を遥かに超えた言葉を発した。

「森川さん、これから時々ご飯食べにきてもいいかな」

陸はニッコリ微笑んだ。

この笑顔に私は弱い。

素直で優しくて少年のような心を持っている、そんな陸に私は惹かれた。

私が体調が優れない時は、いつも優しく接してくれる。

そういえば陸が怒ったところは見た事がない。

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