「リュウセイはどこだい?」
数日後、相馬総合病院で受付業務をしていると、金髪碧眼の男性に問いかけられた。
三十代くらいだろうか。とても体格がよく、野性的な雰囲気の人だ。
「ご面会ですか?」
彼が流暢な日本語を話していたので、私も日本語で問いかけた。
診療を希望している様子ではないし、リュウセイという名前の家族が病棟に入院しているのだろうか。
それにしても、なんだかこの状況にものすごく既視感がある。
「ここにリュウセイ ソウマというドクターがいるだろう? アメリカからアシェルが会いに来たと伝えてもらえればわかるよ」
やっぱり隆成さんの知り合いのようだ。
院内携帯を鳴らそうとしたとき、偶然にも受付ロビーの一角に隆成さんの姿を見つける。
「あ、副院長」
「リュウセイ、マイダーリン!」
案内するまでもなく、アシェルさんが彼のほうに向かっていった。
マイダーリン?
「アシェル?」
アシェルさんにがっちりと抱きつかれた隆成さんは、目を見開いた。