俺様外科医は初恋妻に一途な愛を貫く~ドSな旦那様の甘やかし政略結婚~
そして、アシェルさんがアメリカに帰国する日がやって来た。

あれからも隆成さんと彼は何度か会っているみたいだったけれど、私は話を聞くくらいだった。

寂しくなるなあと思っていると、相馬総合病院の受付にアシェルさんがやって来た。

「アシェルさん、どうしたんですか? 今日はアメリカに帰る日じゃ……」

驚く私に、彼はにっこり微笑む。

「羽田空港に向かう前に、もう一度チサトに会いたいと思ってね」

「私にですか?」

「ああ。リュウセイとは昨夜、別れの挨拶を済ませてある。チサト、カフェで少しお茶でもしないか」

まさかのお誘いに戸惑いながらも喜んでお受けした。

ちょうど退勤するところだったから、仕事を片付けて着替え、近くのカフェに入る。私はアイスミルクティーを、アシェルさんはクリームソーダを注文した。

「実は昨日、未練がましくもう一度、リュウセイにアメリカに戻って来ないかと誘ったが、きっぱり振られた。僕の大失恋は絶対的なようだ」

嘆きながらも、アシェルさんは吹っ切れた様子だった。ふたりできちんと話し合えたのだろう。

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