もう、夏休みに入ったというのに私の気持ちは暗いまま。



こんな夏休み、……やだよ。



「よし!今日はお散歩行くついでに買い物して帰ろうか」



そうだった、……。お母さんは今、妊娠中なのだ。お母さんのお腹の赤ちゃんはどんどん大きく成長して、今ではお母さんのお腹はふっくりと大きく膨れている。



でも、そんな事さえも忘れていたなんて、私は本当に裕翔くんの事しか頭になかったんだろうな。



「お母さん、体辛くないの?」



「うん。辛くないよ。優太ね、凄く楽しみにしてるのよ」



そう言ってお母さんは愛おしそうに、まだ見ぬお腹にいる赤ちゃんを見つめた。
私もそんな様子を見て、心が温かくなった。



「よし、じゃあ行こうか」



私とお母さんはお散歩に出かけた。
親子でこうして出歩くなんていつぶりだろう。
相変わらず、一条が、側(そば)で護衛をしてくれていることにも心が温かくなる。



「一条、いつもありがとう」



ちょっと離れている間にまた華やかさとかっこ良さが増したのは気のせいだろうか。



「あ、そうそう。一条くんね、恋人が出来たらしいのよ」



「え!?……ええーー!?」



あまりの事態に私の頭が追いつかない。