総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。


「どう?」

「と、とっても…美味しい、です」


あーんされたという恥ずかしさのせいで上手く喋ることも裕翔くんの顔を見ることも出来ない。

私のことを食べたい、とか言われて恥ずかしかったから話を逸らそうとしたのに、逆にこんな風になってしまった。


「なに、あーんされただけでそんな可愛い顔すんの?キス以上の事より恥ずかしかった?」


そんなこと、聞かないで……。

恐らく耳の先まで真っ赤になっているであろう私の顔。裕翔くんはそんな意地悪な選択肢を与えながら、私を見る目はとても優しくて温かかった。


***


私達はパンケーキを食べ終え、裕翔くんの家に向かう。今は私の家でもあるけど……。


「どーだった?デート。結構いいでしょ」


隣には私の手を握って、ニコニコとご機嫌の良さそうな裕翔くん。


「うんっ!とっても」

「ほんと?良かった。そうだ、買い物してから帰ろうか」


いつもは寄らないスーパーに裕翔くんと向かう。食材、切れたのかな……。

でもご飯はいつも裕翔くんの家にいるシェフさんが作ってくれてると思うんだけど……。


「あ、今日ね、俺が作ろうかなって思って。桜十葉に俺の手料理食べてもらいたいから」

「え、えっ!?裕翔くんて料理出来るの!?意外……」

「えー、なにその反応〜。何気に傷つくんだけどー」

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