総長様は可愛い姫を死ぬほど甘く溺愛したい。


私の言葉に一条の顔がきょとんとなる。


「え、お嬢様、もしかしてそれって……、お嬢様に気になる人がいるってことですか!?」


え、……?

そういえば私、頭の中でいっぱいになってしまうって事はその人の事が好きって……。

はっ……。


「もしかして、坂口裕翔様でしょうか!?」


っ、……一条、デリカシーが無さすぎるよ。

でも、そういう事になるのかな。

私は、……裕翔くんのことが、……好き。

初めて、認めてしまった気持ち。

今までは気づかないようにして隠してきた気持ちが一気に溢れ出た。

私、裕翔くんの事が好きなんだ……。

一条に言われて、初めて気づいた。

私はもう、こんなにも裕翔くんに心を奪われてしまっているということを。

突然出会った大人の人。

出会ったその日にいきなりキスをしてくるし、何故か私を愛おしそうに見つめていたあの瞳。

裕翔くんは、私の事を知っていたようだった。

そして、キスやハグを出会った日にしてきた。

まるで、そこには昔の恋人にようやく再会することが出来た、という気持ちが込められていたように。

でも、まさかだよね……。だって私は裕翔くんの事なんて何にも知らなかったんだもん。

これは私の思い違いなんだろう。

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