身代わり少女は主人を慕う
第2章 通う心
翌日、目を覚ましたら、立派な布団に寝ていた。

そう言えば、お嬢様の代わりをしろって言われて、屋敷に連れて来られたんだっけ。

私は起き上がると、布団を畳んだ。


辺りを見ると、朱色の鮮やかな化粧台が置いてある。

音羽さんって言う人は、毎朝こんな豪華な化粧台で、身支度をしている人なんだな。

一方の私は、手串で整えるだけ。

生まれた場所が違うだけで、こんなにも生き方に差があるんだなぁ。


静かに障子を開けると、日の光が眩しく光っていた。

庭の花が、美しく咲いている。

こんな景色を見るのは、初めてだ。


「もう、起きたのか?」

庭の奥から、昨日の夜、私をここに連れて来た人、将吾さんの声がした。

「おはようございます。」

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