✴︎✴︎✴︎エピローグ✴︎✴︎✴︎


古い木戸を開けた。
表札は若月。
下の名前を入れるのはやめた、ややこしいから。

「ただいま、」

今はゆきの家でもある。
もう若月ゆきだ。
それに、お腹の中には、秀斗さんとの子供がいる。
若月⋯⋯ 、ふふ、誰なんだろう。
どんな子なのかな。
秀斗さんにどんなところが似るのかな。

愛しい。

お腹に手を当てて、その温もりを感じる。
門を開けて彼が立っていた、あの日を思い出す。

今、ゆきは徒歩で行ける近所の法律事務所で手伝いとして雇ってもらっている。
大学の奨学金は自分で返すべきだと思っている。

家の中から、門扉の音を聞いて、彼があわてて出てきた。


「無事か? 」.


無事も何も、近所なのに、秀斗は割と心配性だ。
そして結婚してから、もっと優しくなった彼。

秀斗さん。


「ゆき、おかえり」


と彼に言われて、ああ、幸せだなと思った。


✴︎


なお、若月の両親は一度に出来た娘2人と孫を何事もなく家族に受け入れた様子。

息子の結婚相手を選り好みしたところで無駄な事。
表札一つですら思い通りになどいかないのだから。

本人達が落ちてしまう事の方が、よっぽど運が良く幸せだ。現に今の2人の姿を見て、口の挟める人などいるだろうか。

後の責任は、もう彼らの問題。

何の憂いもなく、可愛い嫁と孫を愛するだけでいい。







✴︎✴︎✴︎了

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