眠りにつくまで






ドラッグストアの袋を持った聖さんが、食品売り場へ行く前に館内マップを見る。

「どうしたの?」
「2階か…下着がないと思って…ん、場所わかった。行くよ」
「…下着…」
「必要だろ?自分一人で選べる?一緒に行こうか?」
「一人っ…一人で十分大丈夫っすっ…」
「ははっ、慌て過ぎ。こっち…ここ。決めたら呼んで」
「…どうして?一人で大丈夫」
「支払いするから」
「いい、全部出してもらってるのに」
「うちに置くものだから、俺。やっぱりこの辺にいるから選んで。ゆっくりたくさん好きなの選んで。いつでも手伝うよ」

もう抵抗するのも馬鹿馬鹿しくなるほどの甘い笑顔で言われ、速攻で選ぼうと思う。これとこれ…って…ここの着けたことないんだけどサイズ大丈夫かな?

「ご試着されますか?」

店員さんに聞かれ思わず聖さんを見ると

「行っておいで」

と…言うよね。お姉さんに連れられ奥の試着室に入って、Cカップのアプリコット色のブラを着けてみる。きついなぁ…レースと真ん中のリボンが可愛いけどきつい。もうひとつもCカップを持ってきたがデザインが違うからいけるんじゃないかな…ピーチベージュのレースが綺麗…あれ?きつい…太った?いやいや、体重は減ったぐらいだ。今の手持ちのがゆるゆる?どうしよう…

「いかがですか?」
「あの…ワンサイズ大きいのを…両方試していいですか?」
「すぐにお持ち致します」
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