眠りにつくまで






「光里が三鷹さんと一緒に暮らして…その後はどうなりますか?」
「光里本人に言っていない言葉をここで使うのは憚られるところですね…生涯離しませんよ、光里を。甘やかして笑わせて…ずっと一緒です」

俺がそう答えると

「私も…失礼ながら聞きたいことが…」

と母親が言う。

「大切な娘さんのことですからいくつでもどうぞ」
「本当に失礼ですが…三鷹さんお仕事は何を?」
「経営コンサルタントです」

名刺を一枚取り出すと二人の間に置いた。

「一緒に住むならどこで?」
「俺のマンションです。偶然なんですがマンションとアパートが近くて歩ける距離です。光里の勤務先へは近くなります。間取りも必要ですか?」
「いえ、必要ありません。昨日光里が三鷹さんをとても信頼している様子だったので、本当はそれだけで十分なんです。一緒に暮らして頂けると私達も安心です。そうだね?」
「お父さんの言う通り…光里が三鷹さんと暮らしたいと言っている時点で良かったんですけど…三鷹さん、すみません…ご気分を害する質問だったかもしれません」
「いえ、全く。聞かれて当然のことばかりです。許して頂き感謝します。光里を何より大切にするとお約束します」
「「よろしくお願いいたします」」
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