眠りにつくまで






「「いただきます」」

一緒に手を合わせた後に

「今日もうまそう。ありがとう、光里」

聖さんがそう言ってからお味噌汁を飲む。

「焼き魚って子どもの頃から、おかずにならないのに何でトンカツや唐揚げと同じメイン料理になるのかって思っていたんだよ。でも今日みたいに炊き込みご飯だと全体的に箸が進むから嬉しい」

最初からどんぶり鉢に炊き込みご飯を入れた聖さんが笑う。私も気づいたんだ。魚のメニューのときに彼のご飯が少し控えめなことに。だから、焼き魚の時にお味噌汁とごま和えのようにあっさり過ぎないように、ごぼうサラダとかマヨネーズ味のものを作ったり今日のように炊き込みご飯や混ぜご飯を作るようにしたのが正解みたいだ。

「お兄ちゃんに一度連絡した方がいいかな?勤務時間とか何も聞いてないの」
「有給消化の休み中に一度オフィスに来る?もう忍は機材入れたりしてほとんど毎日来てるよ」
「じゃあ、そうする」
「玲央が‘俺、3人の三鷹に囲まれるんだな’って言ってた」
「そうなるのか…オフィス三鷹だね」
「あっ、忍が同じこと言ってたよ」

やっぱり私とお兄ちゃんは同じ感性を持っているのかもしれない。
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