眠りにつくまで
「子宮口全開ですね…はい、いきんでっ」
言われフー・ウン…と思いっきりいきむ。数回で
「赤ちゃんの頭が出てきましたよー全身の力を抜いてゆっくりフーフーと深ーく息を吐いて…次の波がくるまで力を抜いて…次で会えます、きたね…はい、三鷹さんっ」
うーん…
「光里」
ふぎゃー…っと聞こえると同時に消えた痛みに不思議体験をした気持ちになる。
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ」
「光里…ありがとう…ママおめでとう」
聖さんが私の汗ばむ額にキスをすると
「はい、仲良しパパとママに抱いてもらおうね」
私の胸に赤ちゃんが乗せられた。
「温かい…頑張ったね…ありがとう、聖斗」
「…聖斗…もう何度も呼んだ名前だ…三鷹聖斗、俺と光里の星だね」