眠りにつくまで





聖斗に会った家族のうち、私の両親が

「光里の子に会える日が来るなんて…」

と号泣してしまい、三鷹のお父さんがつられて同じように号泣するという…昼間で良かったよ…夜中じゃ迷惑な声だと3人があまりに泣くからこちらが冷静になる。

皆は一旦帰り、私は遅めだが昼食を出してもらい、おにぎりを食べる聖さんと静かな病室で話す。

「お父さんたちの気持ちはわかるけど…あの号泣でひいちゃった」
「あの感動を与えるくらい、光里が親孝行したってことだね」
「そうだけど…聖さんのおかげ、ありがとう」
「頑張ったのは光里だよ。24日は光里の誕生日パーティー、25日にクリスマスをして26日聖斗の誕生日パーティーになるなぁ…そしてすぐに正月だ」
「誕生日はまとめて26日にパーティーでいいよ」
「それ一番ダメなこと」
「どうして?」
「親になったからって自分のことを後回しにするのはよくない。光里は親になろうが、まずは俺の可愛い奥さんだろ?奥さんの前に永遠の恋人って言いたいけど?だから、光里の誕生日を他の誰かと一緒に祝うなんて絶対にしない」

聖さんはもぐもぐとデザートのイチゴを食べる私の動く頬に口づけた。
< 303 / 325 >

この作品をシェア

pagetop