「大丈夫かな…?」

戸田のお母さんが遠慮がちに俺と聖斗がいる部屋を覗く。どこも温めてあるのでドアは開けっ放しだが、俺が仕事をしてはいるので少し遠慮しているのだろう。

「もう寝そうですけど、このままリビングにベッドを動かしましょうか?」
「ううん、寝るならいいわ。光里がシャワーしてるから仕事の邪魔になっちゃいけないと思って」

そう言いそっと聖斗を覗いたお母さんは静かにキッチンへ戻る。しばらくすると

「光里、お腹すいてない?小さいおいもを蒸かしたよ」
「食べようかな…そんなにお腹は減ってないけどさつまいもも栄養だよね」
「半分でもいいからね。もうしばらくは食べて寝るのが光里の仕事だね」
「うん」
「体力と体調と戻らないと聖斗くんと散歩もできないもの」
「うん」
「夕食は出来たし…ポテトサラダは多めにあるから、明日の朝でも昼でもまた食べて。パン屋さんだけ行ってくるわね」

と聞こえてくる。

「お母さん、俺が駅まで送る時にパン屋へは寄りましょう」
「そう?じゃあ、聖さんのお仕事のキリのいいところでお願いします」

こうして洗濯や食事の世話をしてお母さんは夕方帰って行く。俺が食事の片付けはするし洗濯や掃除をすることもあるが、ずいぶん助かっている。光里も自分は休まないといけないという意識はあるようで昼寝もするし、聖斗がさっきのようにゲップと同時にこぽっと小さく吐いてもとても落ち着いている。