お見合い仮面夫婦の初夜事情~エリート裁判官は新妻への一途な愛を貫きたい~
第二章 確定的恋なのに夫婦未遂
 日曜日、朝からいつのも倍以上の時間をかけて鏡の前で睨めっこを続けている。

 デートだと意識するとなかなかコーディネートが決まらず、結果的に首元にフリルがあしらわれた白のブラウスに、ベビーピンクのフレアスカートを組み合わせた。さらにお気に入りのゴールドピンクのネックレスを身につける。

 仕事があるときは現場で着替えるのもあり、通勤だけだとつい動きやすさを重視してお洒落さが欠落しがちになる。

 極力シンプルにまとめるので、今日は自分の好みを取り入れつつ女性らしさを意識した。

 子どもっぽくないかな?

 髪はサイドを編み込みつつ下ろすヘアスタイルに決め、いつもより気合いを入れてメイクをした後、何度も自分の姿を確認する。

 ただ夫婦で出かけるだけなのに、意識しすぎかな? しかも場所が場所だし……。

 支度を終え、自室で作業をしている大知さんに声をかけにいく。

「大知さん、お待たせしました」

 部屋のドアをノックし顔を出して告げると、大知さんがゆっくり椅子から腰を上げた。

「いや。こちらもきりのいいところだったから、ちょうどよかった」

 今日の彼の格好は、ネイビーのテーラードジャケットとテーパードパンツのセットアップにベージュの春ニットとシンプルだけれど、それが逆に彼の体形や顔のよさを際立たせている。

 見た目はもちろん、これで裁判官なんだから、天は二物を与えずってつくづく嘘なんだな。そこで頭もよく美人な姉の存在を思い出し、すぐに考えを消した。
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