インビジブル・ブルー
僕は、虚ろな瞳で空を見上げた。

目の前に、透きとおるような青空が広がっていた。

紛れもなく、それは僕がずっと探し求めていた青だった。

僕が取り憑かれた色だった。

僕はカンバスと絵の具を抱き込み、もつれる足でデッキに飛び出した。

画台にカンバスを掛け、震える手でチューブを捻ると、キャップが枯葉の上に転がり落ちた。

構わずパレットに絵の具を練りだし、筆を掴んだ。

僕の目は空を見ていた。

空の青だけを見ていた。

目を閉じれば、一瞬にして消えてしまいそうな気がして怖かった。

僕はひと思いに筆を走らせた。二度、三度と色を塗り重ねた。

何度も何度も重ねるたびに、カンバスの青は深みを増し、透きとおるようなアクリルブルーへと変わっていった。

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