私が密かに想いを寄せる逢和(アオ)君は

あるアレルギーを持っている。




「は……クシュン!」




何のアレルギーかというと、




「え?えっと…大丈夫?」

「ちょっとしゃべん……クシュン!クシュン!」







…………わたし。






『せせらぎさんに近づくとアレルギーが出るみたい。』





くしゃみ、蕁麻疹、悪寒、めまい。

近づける最短距離は教室の端から端。





「行かないで。そこにいて。……でも、喋んないで。ごめん。」





私と逢和君は、面と向かって話せない。触れない。





「どうして俺、寧々に触れないんだろう。
こんなに触りたいと思ってるのに。」

「もっと近くで見たいし、近くで生の声、聞きたい。」






逢和君を知れば知るほど、どんどん好きになっていく。

普通に近くで話したい。触りたい。

あわよくば、もっと…







「只今より、

寧々アレルギー対策委員会を発足します。」







***



タレ目イケメンのクラスのヒーロー
近海 逢和(チカミ アオ)

×

ふにゃふにゃほんわか愛されヒロイン
細流 寧々(セセラギ ネネ)



***



近づけない私たちによる
近づきたい私たちのための

ちょっと不思議な活動記録





「もし触れたら俺、
どうなっちゃうか分かんないかも」



「寧々。俺の名前呼んで…?」








私の好きな人は、

世界で一番遠い人。





神様。

どうしてこんなイジワルをするんですか。






2022.5.11 更新開始

2022.6.24 完結

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