再愛婚~別れを告げた御曹司に見つかって、ママも息子も溺愛されています~
「ママ。また、ボーッとしてる」
幹太(かんた)
「しっかりしろよ? そんなんじゃ、迷子になるぞ?」
「……」
「俺がしっかりしていないとな。じぃじからも頼まれているし」
「……」
「まったく。うちのママを、一人にしておくのは心配だ。とにかく、俺についてこいよ!」
「……はいはい」
「はい、は一回ってママがいつも言っているだろ?」
「はい」

 これではどちらが親で、どちらが子どもかわからない。
 フンと鼻息荒く真綾を見つめているのは、小関幹太。真綾の愛息子だ。
 
 五歳の幹太は、年の割にはしっかりとしている男の子である。
 真綾の両親――幹太から見たら、祖父母――と近くに住んでいたとはいえ、母ひとり子ひとりでこれまで生きてきた。
 だから、幹太としては母親である真綾を助けなくては、守らなければと思っている節がある。
 
 とはいえ、そこはまだ五歳児。やんちゃ盛りでもある。
 どちらかと言えば、目が離せないのは幹太の方だ。
 それでも、母親である真綾をその小さな背中で守ってくれようとしている様子は愛らしい。
 
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