兄妹 ~禁断の恋が動き出す運命の一夜~
大学時代(過去)

新生活

「何してるの?」
広いリビングの棚に飾られた写真。
そこには両親と、その親友の写真が飾られている。
何かがあると母は時々その写真を手に取り、写真の向こうの親友に語りかけるようにしていることがある。

「報告」
「報告?」
私が母に近づくと母は写真を見つめていた視線を私に向けていつものように微笑む。
「優莉と蓮人が無事に大学も合格して、新生活を始めるっていう報告。」
「そっか」
私も写真の中の知らない両親の親友を見る。
優しそうな微笑みは両親に似ている。

「生きていたら、一緒に暮らしたいくらい仲がよかったんだから。」
「そっか」
「優莉には彩乃ちゃんと美月ちゃんていう親友がいるもんね。母さんたちみたいにずっと想い合えるような関係でいてくれたらいいわね。」
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