だめんずばんざい
屋敷へ行った!




翌週は約束通り五百旗頭家を訪ねた…えっと…これは普通の家?博物館とか?

「ドアのサイズが…ガクト…これって普通に手で開けられるの?大き過ぎない?」
「両開きだからそう見えるんじゃない?カオルちゃん、開けてみたらいいよ」

恐る恐るドアを開けようとすると

「カオルちゃん、押す」
「…押すの?」

この大きなドアが内側へ開くスペースがあるんだ…素晴らしい。ゆっくりと半分押し開けたところで

「やっと来た来た。いらっしゃい、カオルちゃん」

すみ子さんに出迎えられた。すぐ後ろには宗方父と数人のお手伝いさんがいる。

「こんにちは、すみ子さん。はじめましての方がたくさんいらっしゃいます…白井薫子です。よろしくお願いいたします」

とりあえず、皆さんにまとめて挨拶しようと名乗っておいた。

「「「「「よろしくお願いいたします」」」」」
「カオルちゃん、追々関わることがあった都度覚えていけばいいからね」
「はい」
「まずはお茶にしましょうか?」

すみ子さんについて歩きながら

「じいちゃんは?」

とガクトが聞く。

「乗馬クラブよ。もうすぐ帰ってくると思うわ。今日は舞さんたちも一緒なの」

おじいさま、お義父さん、お義母さんは一緒に趣味の乗馬クラブへ行っているらしい。趣味が乗馬…今まで私の周りにいなかったな…
< 141 / 195 >

この作品をシェア

pagetop